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グランドジャンプ連載陣

#1 これが派遣校サウスケント校だ!!

なぜ、プレップスクールなのか?

「アメリカの大学でプレイするために最適な道筋をつける、これが今回の奨学金の大きな目的であり特徴です。」と井上雄彦は言う。  では、なぜアメリカの大学か? 「日本とアメリカが、どの時点でそのレベルの差が決定的になるかと言えば、それは大学ではないかと思います。その分かれ道でアメリカに進む選択をしたい選手はたくさんいるはずなのに、実際はその方法がわからない。道筋がない。そのチャレンジのひとつの道を作ってあげることがこの奨学金の意図です。また、アメリカのディビジョンⅠの大学でプレイすることが、各国のスカウトが見ているという意味からも世界的な選手への最適な一歩だと思うからです。」  ところが、実際にはNCAAでは選手の学力規定も定められており殆ど英語ができない選手がいきなりNCAAのチームに入ることは出来ない。大学でプレイするには、まず語学学校で約1年間勉強しなければならない、つまりその間は全くプレイさせてもらえないという現実がある。  『スラムダンク奨学金』では、そういった事情を考慮し大学進学のための準備期間、大学での奨学金を勝ちとるための準備期間としてより現実的な「プレップスクールへの奨学生支援」を主眼としている。

プレップスクールとは?

大づかみに言うと、高校と大学の間に位置づけられている学校のことで、日本の高校3年間の後に、さらに1年の課程が併設された高校と考えてほしい。奨学生は、このポストグラデュエイト(PG=卒業後)と呼ばれる強いて言えば高校4年生に当たるクラスに編入される。英語を勉強しながらバスケットボールの練習をし、試合にも出られる。大学でプレイすることを目標にする日本人プレイヤーにとっては、正に最適の環境と言えるだろう。

派遣校・サウスケント校

この奨学金で約1年の派遣を予定しているサウスケント校について紹介しよう。そこは、ニューヨークから北に車で2時間ほどのコネチカット州サウスケントという小さな町にある。ニューイングランド地方独特のレンガ造りの家が建ち並ぶ緑の多い田舎に位置する。私立男子校で、生徒数は現在137人。(07年1月31日現在)日本人は6人。広大な敷地の中に校舎、体育館、寮などが点在する。  奨学生は、ここで全寮制の生活を送ることになる。また、先生や職員達も家族とともに敷地内に住んでおり、生徒と先生の距離はとても近い。

サウスケントのバスケットボール部

主にポストグラデュエイト(PG)の選手で構成される1軍、日本では高校3年生以下にあたる一般生徒が中心となるバーシティ(2軍)とジュニア・バーシティ(3軍)があり、11月から3月にかけて40試合ほどの公式戦を戦う。このチームから大学を経ず直接マイアミ・ヒートへドラフト1巡目で指名されたNBA選手にドレル・ライト(07年1月現在3年目)がいる。彼は12年生(高3)の時に、このPGチームでプレイしている。