『毒魔女ロベリア』【29P】
理棹茅美(35歳)──神奈川
あらすじ
はるか昔、薬草を独自に調合する女性民間療法士を魔女と呼ぶ時代があった。主人の病を治すため、下女・アネットは魔女と呼ばれる療法士・ロベリアに助けを求めることにしたのだが、彼女が処方してきた薬は毒薬と呼ばれているもので…。
編集部講評
女の子を可愛く描けていたし、調べものの跡も感じた作品。今大会で一番クオリティが高かった。一方で、その強みである絵を活かせるような演出も少なく、物足りない構成になっていた。強みはより磨きつつ、読者の興味・関心を引く“見せ方”も学んでいって欲しい。
『遠い光』【38P】
向井サトル(23歳)──京都
あらすじ
親からの虐待を受け人生に絶望した故に無差別殺人を起こした・とおる。一方、これからの人生に希望を持っていたが、事件の犠牲者になってしまった・春子。”光”を通して繋がる、この事件に至るまでの2人の人生とは…?
編集部講評
人物を描写するために、二幕構成という構成にチャレンジしたことを評価したい。また、社会派の作風も今大会の中では一番グランドジャンプらしかった。ただ、構成やアイデアに読者は感動しない。構成やアイデアを駆使してどうやって読者を感動させるかという事を意識してほしい。
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『鶴の橋』【50P】
うきくさななし(29歳)──京都あらすじ
10年前に失踪した友人・リリーの行方を捜して新聞記者になったイーイーは失踪したと噂される村を訪ねることにする。そこでイーイーは病気のせいで太陽の下に出れない少女・ツキと出逢うのだが…。編集部講評
壮大な物語を描こうとしている事、精度の高い画力を評価したい。しかし、それをエンタメに昇華できていなかった。画面の向こうにいる読者を想定してどうやったら楽しませることができるのかを考えてネームを描いて欲しい。
編集部総評
今大会は、自分の世界観や伝えたい事を原稿に落とし込むために、意欲的かつチャレンジングな表現を試みているものの、本当に読者を想定しているのか怪しい作品が多かった。作品作りでは、自分の想いが、どんな読者に、どんな風に伝わってほしいかを想像することも重要である。それをもとに、ストーリーをコンパクトにしてみたり、少しでも読みやすくなるような画面や構成を試行錯誤してみてほしい。次回も沢山のご応募をお待ちしてます!